私は税理士に向いているのか/『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

クリフトン・ストレングスというものをご存じでしょうか。2017年まではストレングス・ファインダーという名称でした。

クリフトン・ストレングスとは

クリフトン・ストレングスとは、アメリカのギャラップ社が開発したオンラインの才能診断ツールです。177個の質問に答えることで、自分の強み・性格傾向がわかるものです。

この診断を受けると、自分用にカスタマイズされたレポートを受け取ることができるのですが、本書には各資質の説明に加え、それぞれの資質を持った人がどのように行動すべきか、またそれぞれの資質を持った人とどのように接するべきかなど、さらに一歩踏み込んだ内容が書いてあります。診断結果がとても納得のいくものであったということもあり、より深く自分の強みについて知りたいと思い、本書を手に取りました。

「才能」と書いて「じぶん」

表紙をめくると、カバーのそでにこんなことが書いてありました。

「才能を隠してはならない。

それは、使うためにつくられたものだ。

日陰に置かれた日時計に

いったい何の意味があるだろう」

——ベンジャミン・フランクリン

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

34の資質

クリフトン・ストレングスの34の資質と4つの領域は、以下のようになります。診断を受けると、これらの資質が1位から34位までずらっと並びます。

実行力
  • アレンジ
  • 信念
  • 公平性
  • 回復志向
  • 慎重さ
  • 目標志向
  • 規律性
  • 責任感
  • 達成欲
影響力
  • コミュニケーション
  • 指令性
  • 最上志向
  • 活発性
  • 社交性
  • 競争性
  • 自己革新
  • 自我
人間関係構築力
  • ポジティブ
  • 個別化
  • 共感性
  • 包含
  • 成長促進
  • 親密性
  • 調和性
  • 運命思考
  • 適応性
戦略的思考力
  • 内省
  • 分析思考
  • 原点思考
  • 収集心
  • 学習欲
  • 戦略性
  • 未来志向
  • 着想

私の強みトップ5

それでは、私の強みトップ5を発表いたします。私という人間がどのような人間かを曝け出すことになりますが、よろしくお願いいたします。

1位 内省 Intellection

この「内省」が1位というところが、いかにも私だなという気がします。結果を見た瞬間なんともいえない気分になりました。これが1位か……と。でもしばらくすると、これ以外に1位は考えられないような気がしてきました。

あなたはひとりの時間を楽しむ類の人です。なぜなら、ひとりでいる時間は黙想し内省するための時間だからです。あなたは内省的です。ある意味であなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げかけ、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

いつも何かしら頭の中でぐるぐると考えていて、ぼーっとすることが難しい、という自覚はありましたが、まさかそれが強みだったとは、驚きです。

各資質のページには「行動アイディア」という項目があります。「内省」には以下のような記述がありました。

  • 書くための時間をつくりましょう。書くことはあなたにとって、考えをまとめて具体化する最善の方法かもしれません。
ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

これは既に実行していました。思考がまとまらなくてつらくなってくると、紙に書き出すようにしています。そうすると頭の中がすっきりして楽になります。

2位 最上志向 Maximizer

現在勉強中のFP資格も、2級ではなく1級がいいと感じているのはこの資質によるものかもしれないですね。

平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要しますが、あなたはそこにまったく意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めることも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。(中略)あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

人より劣っている部分を人並みにできるようにしなきゃとはあまり考えず、それより自分にできることをもっと伸ばしたいと考えています。

「行動アイディア」には以下のような記述がありました。

  • 人の成功を助ける職務を探しましょう。
ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

税理士もまさに「人の成功を助ける職務」といえますね。自分に合った道を歩いているということでいいでしょうか。嬉しいです。

3位 慎重さ Deliberative

いうなれば、あなたは毎日の生活を注意深く送る、かなりまじめな人です。たとえば、何かがうまくいかない場合に備えて、あらかじめ計画を立てることを好みます。(中略)人生は地雷原を歩くようなものです。他の人は用心せずにこの地雷原を駆け抜けるかもしれません。しかし、あなたは違う方法をとります。あなたは危険を明確にし、その危険が及ぼす影響を推し量り、それから慎重に一歩ずつ踏み出します。

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

「人生は地雷原を歩くようなもの」、そんなふうに考えているんですね、私は。いわれてみれば、何事も悲観的に考えるくせはあると思います。いつも最悪のパターンを想定してしまいます。この思考のくせは「慎重さ」によるものだったんですね。強みといえば強みかもしれませんが、心の中が穏やかではなくなるので、直したいところでもあります。

「行動アイディア」には以下のような記述がありました。これもまた私の職業選択が正しかったといわれているような気がしてなりません。

  • あなたは生まれつき優れた判断力を持っています。アドバイスをしたり相談に乗ったりする仕事につくことを考えましょう。法務関係や堅実な商取引、法令順守に関連する仕事で頭角をあらわすかもしれません。
ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

4位 学習欲 Learner

あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。(中略)あなたは何も知らない状態から、着実で計画的な過程を経て、能力を身に付けた状態に移行することでいきいきとします。(中略)学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

私、学習が好きだったようです。そうでなければあの地獄のような税理士試験の受験勉強生活は送れなかったでしょう。

「行動アイディア」には以下のような記述がありました。

  • 何らかの技術的な能力が必要とされる職務を探しましょう。専門性を習得し、維持する過程を楽しむでしょう。
  • できる限り、技術や規則が常に変化する分野にキャリアを変更しましょう。これに対応しようと挑戦し続けることであなたはいきいきとします。
ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

「専門性を習得し、維持する」というのは税の専門家たる税理士にぴったり。「規則が常に変化する」なんてもう毎年の税制改正のことをいっているようにしか聞こえない。これってまさに、私にとって税理士が天職だってことにほかならないのではないでしょうか。

5位 責任感 Responsibility

あなたは<責任感>という資質により、自分がやると言ったことに対してはなんでもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。

ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

この「心理的に拘束されます」という表現、的確ですね。思い当たります。自分で自分に対してルールをつくり、ギリギリのノルマを課し、さながらブラック企業です。

「行動アイディア」には以下のような記述がありました。

  • 頑張って断りましょう。生来の責任感の強さから、提示されたことを拒否するのは非常に難しいと思うときもあるかもしれません。だからこそ選別しなくてはいけません。あなたにとって大きな意味を持つことについてのみ、より多くの責任を負うことを要求しましょう。
ジム・クリフトン、ギャラップ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』

これについては本当に意識しなくてはならないと、独立したときから考えています。できないこと、やらないと決めたことを引き受けないように気を付けています。

「日陰に置かれた日時計」にならないように

上位に挙げられた強みに関して、「これを強みといってよかったのか」という気づきはありましたが、性格傾向としては意外なものはなかったように思います。全部私そのものだなといった感じでした。それぞれの強みに対する「行動アイディア」が参考になりました。自分の強みを無駄にしないように、付箋を貼ってときどき読み返したいと思います。

本を読んでよかったのは、それまで確信はありませんでしたが、税理士という職業が自分に向いているということがわかったことです。これからも胸を張ってこの仕事を続けていけそうです。

クリフトン・ストレングスは、自分のことをよく知りたい人や、自己肯定感を高めたい人におすすめです。どんな人にも強みが必ずあって、その人にとっては当たり前のことで意識していなかったことが実は強みだったということも多いようです(私もそうでした)。

レポートを読んで自分の強みについて理解した上で、さらにその強みをどう活かせばいいかを知るには、本書がおすすめです。本書にはクリフトン・ストレングスを受けるためのアクセスコードが記載されています。こちらは上位5つの資質のみがわかる簡易版となっていますが、私は診断を受けた後で本書を購入したので、まだ使用していません。またいつか時間をおいて診断してみようと思っています。

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