Apple Musicをなんとなく眺めていたら、「おやじロック ベスト」という名前のプレイリストを発見しました。
私がイメージする「おやじロック」は、60年代から70年代、まあ80年代も入るのか?……そのあたりのロック。具体的には、ビートルズとかローリング・ストーンズとかレッド・ツェッペリンとかピンク・フロイドとか、そういうものかなと漠然と思っていたのですが。
90年代もすでに「おやじロック」
ビートルズなどは当然入っていましたが、これを「おやじロック」と呼ぶのか? と言いたくなるようなものもたくさん入っていました。
まず、レディオヘッドの「Creep」。
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」、ベックの「Loser」と並ぶ、オルタナティブ・ロックの代表曲ですね。コーラスに入る前の「ガガッ」というギターのブラッシングはあまりにも有名です。
レディオヘッドというイギリスのロックバンドが1992年発表した楽曲です。1枚目のアルバム『Pablo Honey』に収録されています。私がはじめて聴いたのは中高生のころなのでリアルタイムではなかったのですが、やはりあのゆったりとした曲調に突然割り込んでくる「ガガッ」というノイズには衝撃を受けたのを覚えています。
レディオヘッドからはもう1曲、「Karma Police」も入っていました。3枚目のアルバム『OK Computer』(1997年発表)に収録されています。音楽雑誌などでやたらとおすすめされていたので中学生のときに買ったアルバムで、当時全然良さがわからずに困惑した思い出の一枚です。その困惑から20年以上もの間、「いちばん好きなバンドは?」という音楽好きにとって地獄のような質問を受けた際には「レディオヘッド」と答えるようになりました。
2000年代までも!
ザ・ストロークスの「Last Nite」がプレイリストに入っていたのですが、ストロークスのデビューって2000年代ですよね? 調べたら2001年発表でした。デビュー・アルバム『Is This It』に収録されていますが、このアルバムはリアルタイムで聴いていました。
このアルバムでは私は特に1曲目の「Is This It」のベースラインが大好きでよく聴いていました。
ザ・ストロークスは2000年代に巻き起こったガレージロック・リバイバルの代表格といわれるバンドです。けだるそうなヴォーカルと、シンプルで隙間だらけのサウンドが当時斬新でした。
同じくガレージロック・リバイバルの代表格といわれるバンド、ザ・ホワイト・ストライプスの「Seven Nation Army」もプレイリストに入っていました。こちらは2003年発表。
さすがに21世紀に入ってから発表された曲を「おやじロック」と呼ぶのは違和感があります。このプレイリスト名を見て実際に曲を流してみて、果たしてどれくらいの人が納得するのでしょうか。
見落としていた事実
ひとつ、見落としていた重要な事実があります。それは、私もすでに「おやじ」であったということです。この事実に気づいたときに、すべてのことに得心が行きました。おそらく精神年齢と実年齢が20年ほど乖離しているのでしょう。そのせいで、上記のような血迷った発言を繰り出しておりました。
私がティーンエイジャーであったころ、すなわち90年代後半あたり、当時「おやじロック」と考えていた60~70年代あたりの音楽って、そのころから20~30年前の音楽ということになりますが、現在2024年、まさに90年代から2000年代あたりがその音楽ではないですか。
時の流れって早いですね。光陰矢の如し。
十代の私にとってのビートルズが、現代の若者にとってのレディオヘッド。……やっぱりとても違和感がありますが、受け入れなくてはなりませんね。