11月はシューゲイザーばっかり聴いていました。仕事中のBGMとして不思議と心地よいのです。
シューゲイザーとは
シューゲイザーというのはロックのジャンルのひとつで、ノイジーなギターと浮遊感のあるサウンド、囁くように歌うボーカルが特徴です。足元のエフェクター・ボードを見つめながらギターを弾く姿が、まるでshoe(靴)をgaze(凝視)しているように見えることから名付けられたジャンル名らしいです。
「これぞまさにシューゲイザー」という曲は、やっぱりマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)の「Only Shallow」ではないでしょうか。「音の洪水」とよく称されています。まさに的確な表現です。押し寄せる轟音に溺れそうになります。この曲が1曲目に収録された『Loveless』はシューゲイザーの金字塔的作品といわれています。
それでは、11月によく聴いたレコードをご紹介いたします。
Ride – Nowhere
ライド(Ride)は、1988年に結成されたアメリカのバンドです。1996年に一度解散し、2014年に再結成、現在も活動中です。初期のスピッツが「ライド歌謡」を目指していたという話がありますね。
『Nowhere』は、1990年発表のデビュー・アルバム。シューゲイザーの代表的なアルバムとして有名です。
Vapour Trail
お気に入りの一曲は、「Vapour Trail」です。イントロのギターのストロークから心を鷲掴みにされる感覚があります。長いアウトロの最後、ストリングスだけ残るアレンジも大好きです。チェロの音色を聴いていると、知らないところにひとりぽつんと取り残された気持ちになります。
Slowdive – Souvlaki
スロウダイヴ(Slowdive)は、1989年に結成されたイギリスのバンドです。今年いちばんよく聴いているバンドかもしれません。バンド名がこのバンドの音楽性をとてもうまく表現していると思います。ニコラス・チャップリン(ベース)の夢の中に出てきたフレーズらしいです。
本作『Souvlaki』は、1993年に発表された2枚目のアルバムです。「スーヴラク」と読むようです。読めないですね。
Alison
こちらも歌い出しから最高の楽曲。美しいメロディと浮遊感のあるサウンドで、頭の中がぼんやりしてきます。コーラスの「Alison, I said, “We’re sinking”」からさらにコーラスとシンセで音が埋め尽くされ、まるでひんやりとした濃霧の中にいるようです。多幸感とはこういうことかと思い知らされます。
My Bloody Valentine – Isn’t Anything
冒頭でもご紹介したマイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、1984年に結成されたアイルランドのバンドです。ライブではあまりに音量が大きいため、耳栓が配られるそうです。
本作『Isn’t Anything』は、1988年発表のデビュー・アルバムです。インディー感の漂うノイズ・ロックといった印象で、次作『Loveless』の方が一般的なシューゲイザーのイメージに近いかもしれません。
ヴォーカル・ギターのケヴィン・シールズという人はギターのトレモロ・アームを握りながら演奏するため、音程がゆらゆらと不安定で、視界がぐにゃっと歪む感覚がして、聴いているとだんだん酔ってきます。
Feed Me with Your Kiss
ぐしゃぐしゃとした荒々しいサウンドでかき鳴らされる変拍子のギターリフが私好みです。1拍ずつ増えていくのでついつい数えてしまい、BGMになりません。
音はこんなに激しいのに、ヴォーカルに全然力が入っていない感じが独特の世界観を作り上げています。
2024年も残り1か月となったようです。早いですね。年末でばたばたと忙しい人も多いと思いますが、シューゲイザーでも聴いてぼんやりしながら、ほどほどにがんばりましょう。